チュートリアル: GRASSツールを用いて河川と集水域の境界線を求める
3. 累積流量と排水方向を計算する
次のステップでは埋め立て済みのDEM上の累積流量を計算します。
1. プロセッシングツールボックスで GRASS | ラスタ (r.*) | r.watershedを選択します。
r.watershed ツールには様々な設定があります。GRASSのこのツールのマニュアルのページ でアルゴリズムの設定についてより詳細に学べます。
2. r.watershedダイアログで、標高としてDEM_filledを選択します。外部流域の最小サイズを500ピクセルに設定し、単一フロー(SFD)を使うにチェックを入れます。排水先セルの数の出力を accumulation.tif に保存し、排水方向の出力を flowdir.tif に保存します。他の出力は不要なのでチェックを外しておきます。
3. 実行をクリックします。処理が終わったらダイアログを閉じます。赤色の警告は無視してください。
流向レイヤは、GRASSの定義を用いてエンコードされています。排水は、北東方向の1から始まる反時計回りに番号が振られた8つの方向です。値0は、セルが窪地であることを示します。負の値は、地表流出が現在の地理的領域の境界を離れていることを示しています。これらの負のセルの絶対値は、流れの方向を示しています。したがって、flowdirレイヤを絶対値に変換する必要があります。
4. メインメニューでラスタ | ラスタ計算機と進みます。
5. ラスタ計算機で次の色を設定します。
( "flowdir@1" < 0 ) * -1 * "flowdir@1" + ( "flowdir@1" >= 0 ) * "flowdir@1"
この式は、次のように理解できます:流れの方向の値がゼロよりも小さい場合、結果はブール値True (1)であり、そうでない場合はブール値False (0)です。これに-1とフロー方向を掛け合わせます。このようにして、式の最初の部分は、負の流れ方向の絶対値で結果が得られます。次に、セルがゼロより大きいか、またはゼロに等しい場合の条件を追加し、真偽値(1)、偽値(0)を与え、これを流れの方向の値と掛け合わせます。これにより、負でない流れの方向の値は元の値を維持することになります。
6. 結果を flowdirabs.tif として保存し、OK をクリックします。
通常は、流れの方向の結果を方向性のあるグリッドでスタイルを作成しますが、このチュートリアルでは実施しません。
7. レイヤパネルから元の flowdir レイヤーを削除します。
次のステップでは、どの累積流量でピクセルをチャネルの一部とみなすことができるかを決めていきます。