チュートリアル: 河川の縦断プロファイルを作成する
Site: | OpenCourseWare for GIS |
Course: | QGIS上級者向けチュートリアル |
Book: | チュートリアル: 河川の縦断プロファイルを作成する |
Printed by: | Guest user |
Date: | Thursday, 26 December 2024, 8:28 PM |
1. 概要
このチュートリアルでは、DEMと河川レイヤーを使用して河川の縦断プロファイルを作成します。
このチュートリアルで提供されるデータは、Rur集水域の満たされたSRTM 1-Arc Second DEMが含まれています。 QuickOSMプラグインを使用して、OpenStreetMapから河川のラインベクトルをダウンロードします。
このチュートリアルを通して次のことができるようになります:
- QuickOSMプラグインを使用してOpenStreetMapから河川をダウンロードする
- 河川に沿って一定距離ごとのポイントにDEM値を付与する
- Data Plotlyプラグインを使って縦断プロファイルを表現する
- Profile toolプラグインを使って縦断プロファイルを表現する
2. OpenStreetMapから河川のラインベクトルをダウンロードする
このセクションではOpenStreetMapから対象エリアの全ての河川ラインベクトルをダウンロードします。
1. QGISを起動します
2. メインメニューの プロジェクト | 開く | GeoPackage... にいきます
3. GeoPackageからプロジェクトを読み込むダイアログで data_longitudinal_profile.gpkg を参照し、Longitudinal_profile プロジェクトを選択します。OKをクリックします。
これでスタイルされたRurエリアのDEMと陰影起伏図、集水域の境界が表示されました。
次にQuickOSM pluginをインストールします。
4. メインメニューの プラグイン | プラグインの管理とインストール... にいきます
5. QuickOSM と検索し、インストールをクリックし、ダイアログを閉じます。
次にOpenStreetMapから河川データをダウンロードしていきましょう。
6. メインメニューのベクター | QuickOSM | QuickOSM...にいきます。
7. QuickOSMダイアログでKeyにwaterwayをvalueにriverを選択します。Layer ExtentにRur_catchment_boundaryを選択します。 Expand Advanced を開き、lineの地物だけが選択されていることを確認します。ダイアログは次の図のようになるかと思います。
8.Run queryをクリックします。「Successful query, 1 layer(s) has loaded.」というメッセージが表示されたらウィンドウを閉じます。
これで対象エリアの全河川データが表示されました。
次のセクションではRur川を選択して新しいレイヤとしてエクスポートします。
3. 特定の河川を選択しエクスポートする
前のセクションではOpenStreetMapから対象エリアの全河川をダウンロードしました。このセクションではRur川を選択し、新しいレイヤとしてエクスポートします。
1. waterway_river を右クリックし、属性テーブルを開くを選択します。
属性テーブルのデータを確認します。河川の名称がnameフィールドにあることがわかります。RurとRoerの名前を持つ河川を選択しましょう。Rurはドイツ語の名称で、Roerはオランダ語の名称なので、両河川併せて一つの川とみなせます。
2. 属性テーブルで、式による地物選択アイコン をクリックして地物を選択します。
3. 次の式をタイプします: "name" = 'Rur' or "name" = 'Roer'
こうすることでRurという名前とRoerという名前の地物全てを選択できます。
4. 地物を選択をクリックしダイアログを閉じます。
これでこれらの河川が地図キャンバス上で黄色に選択され、属性テーブル上では青色で選択されるようになりました。
5. レイヤパネルで waterway_river を右クリックし、 エクスポート | 選択地物の保存... を選択します。
6. ベクタレイヤを名前をつけて保存ダイアログ...で、data_longitudinal_profile.gpkg GeoPackageにRur_riverというレイヤ名でレイヤを保存します。座標系をプロジェクトと同じ物(EPSG:32632)に変えてOKをクリックします。
7. waterway_river をレイヤパネルから削除します。
次に、河川レイヤーを少し整理する必要があります。 一部のセクションは主要な川の一部ではありません。
8. 編集ツールばーの編集モードを切替 をクリックします。
9. を使っておかしな部分を選択し、<Delete>ボタンを押します。全て削除できたか確認しましょう。
10. 編集モードを切替 をもう一度クリックし、保存をクリックします。
河川は多くのセグメントで構成されています。最終ステップとして正しい河川レイヤを作るために地物をまとめ(dissolve)ます。
11. メインメニューの ベクタ | 空間演算ツール | 有効(Dissolve)... を選択します。
12. 融合(Dissolve)ダイアログでは、Rur_river を 入力レイヤとして選択し、それ以外はデフォルトの設定のまま、data_longitudinal_profile.gpkg GeoPackageにRur_river_dissolvedという出力レイヤ名で保存します。
13. 実行をクリックします。プロセッシングの後ダイアログを閉じます。
14. レイヤパネルから data_longitudinal_profile Rur_riverレイヤを削除します。
15. Rur_river_dissolved レイヤをスタイリングします。ダークブルーにします。
これで完全なRur川ができました。次のセクションで河川に沿って一定距離で標高を付与していきます。
4. 河川に沿って標高を付与する
このセクションでは河川に沿って一定の距離でDEMから標高を付与します。それにより河川の縦断プロファイルを描画するためのテーブルを作成できます。
1. プロセッシングツールボックスを開きます: メインメニューの プロセッシング | ツールボックスから行います。
2. ベクタジオメトリ | ジオメトリに沿った点群を選択します。
3. ジオメトリに沿った点群ダイアログでRur_river_dissolved を入力レイヤとして選びます。距離を1キロメートルに変更し、data_longitudinal_profile.gpkg GeoPackage にSample1kmというレイヤ名で内挿点を保存します。
4. 実行をクリックします。プロセッシングが終わったらダイアログを閉じます。
結果は次の図のようになるでしょう。
次にこれらの点群に対して標高を付与していく必要があります。
5. プロセッシングツールボックスで ラスタ解析 | ベクタレイヤにラスタ値を付加を選択します。
6. ベクタレイヤにラスタ値を付加ダイアログでSample1kmを入力レイヤ(点)として、DEMを参照するラスタレイヤとして選択します。Advanced Parameters を開きラスタ値を収納するカラム名の接頭辞に DEM_ とタイプします。data_longitudinal_profile.gpkg GeoPackageにSample1kmZというレイヤ名でサンプリングした点群を保存します。
7. 実行をクリックします。プロセッシングが終わったらダイアログを閉じます。
8. 結果の属性テーブルを確認します。
これで河川に沿った指定距離ごとの標高を持ったDEM_1というフィールドができました。
次のセクションではData Plotlyプラグインでプロファイルを作っていきます。
5. Data Plotlyプラグインで河川の縦断プロファイルを表現する
1. Data Plotlyプラグインをインストールします。
2. アイコンをクリックし、Data Plotly パネルを開きます。
3. DataPlotly ダイアログで Bar Plot を Plot typeとして選択します。 Sample1kmZ をレイヤとして選択し、X fieldにdistanceを、Y fieldにDEM_1を選びます。X fieldを編集し距離をkmに変換します。
4. をクリックしタイトルと凡例の設定を変えます。
5. 次の図のようのダイアログで入力し、Create Plotをクリックします。
これで結果が見えるようになりました:
次のセクションではProfile toolプラグインを使って縦断プロファイルを表現していきます。6. Profile toolプラグインを使用して、河川の縦断プロファイルを表現する
このセクションではもう一つの方法で河川の縦断プロファイルを表現する方法を学んでいきます。Profile toolプラグインを使っていきます。
1. Profile toolプラグインをインストールします。
2. ボタンをクリックし Profile tool パネルを読み込みます。.
3. レイヤパネルで DEM を選択します。
4. Profile tool パネルでAdd Layerを選びます。
5. レイヤパネルで Rur_river_dissolvedレイヤを選びます。
6. Profile tool パネルでOptionsの下でSelected layerをSelectionとして選びます。
グラフはプロファイルを示しています。 他の設定を変えてみて、グラフをPNGとしてエクスポートしたり、テーブルをコピーすることができます。