チュートリアル: 河川の縦断プロファイルを作成する

Site: OpenCourseWare for GIS
Course: QGIS上級者向けチュートリアル
Book: チュートリアル: 河川の縦断プロファイルを作成する
Printed by: Guest user
Date: Tuesday, 21 January 2025, 2:08 AM

1. 概要

このチュートリアルでは、DEMと河川レイヤーを使用して河川の縦断プロファイルを作成します。

このチュートリアルで提供されるデータは、Rur集水域の満たされたSRTM 1-Arc Second DEMが含まれています。 QuickOSMプラグインを使用して、OpenStreetMapから河川のラインベクトルをダウンロードします。

このチュートリアルを通して次のことができるようになります:

  • QuickOSMプラグインを使用してOpenStreetMapから河川をダウンロードする
  • 河川に沿って一定距離ごとのポイントにDEM値を付与する
  • Data Plotlyプラグインを使って縦断プロファイルを表現する
  • Profile toolプラグインを使って縦断プロファイルを表現する

2. OpenStreetMapから河川のラインベクトルをダウンロードする

このセクションではOpenStreetMapから対象エリアの全ての河川ラインベクトルをダウンロードします。

1. QGISを起動します

2. メインメニューの プロジェクト | 開く | GeoPackage... にいきます

3. GeoPackageからプロジェクトを読み込むダイアログで data_longitudinal_profile.gpkg を参照し、Longitudinal_profile プロジェクトを選択します。OKをクリックします。

これでスタイルされたRurエリアのDEMと陰影起伏図、集水域の境界が表示されました。

次にQuickOSM pluginをインストールします。

4. メインメニューの プラグイン | プラグインの管理とインストール... にいきます

5. QuickOSM と検索し、インストールをクリックし、ダイアログを閉じます。

次にOpenStreetMapから河川データをダウンロードしていきましょう。

6. メインメニューのベクター | QuickOSM | QuickOSM...にいきます。

7. QuickOSMダイアログでKeywaterwayvalueriverを選択します。Layer ExtentRur_catchment_boundaryを選択します。 Expand Advanced を開き、lineの地物だけが選択されていることを確認します。ダイアログは次の図のようになるかと思います。

quickosm dialogue

8.Run queryをクリックします。「Successful query, 1 layer(s) has loaded.」というメッセージが表示されたらウィンドウを閉じます。 

これで対象エリアの全河川データが表示されました。

次のセクションではRur川を選択して新しいレイヤとしてエクスポートします。


3. 特定の河川を選択しエクスポートする

前のセクションではOpenStreetMapから対象エリアの全河川をダウンロードしました。このセクションではRur川を選択し、新しいレイヤとしてエクスポートします。

1. waterway_river を右クリックし、属性テーブルを開くを選択します。

属性テーブルのデータを確認します。河川の名称がnameフィールドにあることがわかります。RurとRoerの名前を持つ河川を選択しましょう。Rurはドイツ語の名称で、Roerはオランダ語の名称なので、両河川併せて一つの川とみなせます。

2. 属性テーブルで、式による地物選択アイコン をクリックして地物を選択します。

3. 次の式をタイプします: "name"  = 'Rur' or "name" = 'Roer'

こうすることでRurという名前とRoerという名前の地物全てを選択できます。

4. 地物を選択をクリックしダイアログを閉じます。

これでこれらの河川が地図キャンバス上で黄色に選択され、属性テーブル上では青色で選択されるようになりました。

Selected river

5. レイヤパネルで waterway_river を右クリックし、 エクスポート | 選択地物の保存... を選択します。

6. ベクタレイヤを名前をつけて保存ダイアログ...で、data_longitudinal_profile.gpkg GeoPackageにRur_riverというレイヤ名でレイヤを保存します。座標系をプロジェクトと同じ物(EPSG:32632)に変えてOKをクリックします。

7. waterway_river をレイヤパネルから削除します。

次に、河川レイヤーを少し整理する必要があります。 一部のセクションは主要な川の一部ではありません。

8. 編集ツールばーの編集モードを切替  をクリックします。 

9.  を使っておかしな部分を選択し、<Delete>ボタンを押します。全て削除できたか確認しましょう。

10. 編集モードを切替  をもう一度クリックし、保存をクリックします。

河川は多くのセグメントで構成されています。最終ステップとして正しい河川レイヤを作るために地物をまとめ(dissolve)ます。

11. メインメニューの ベクタ | 空間演算ツール | 有効(Dissolve)... を選択します。

12. 融合(Dissolve)ダイアログでは、Rur_river入力レイヤとして選択し、それ以外はデフォルトの設定のまま、data_longitudinal_profile.gpkg GeoPackageにRur_river_dissolvedという出力レイヤ名で保存します。

Dissolve

13. 実行をクリックします。プロセッシングの後ダイアログを閉じます。

14. レイヤパネルから data_longitudinal_profile Rur_riverレイヤを削除します。

15. Rur_river_dissolved レイヤをスタイリングします。ダークブルーにします。