チュートリアル: QGIS での地下水データの処理
Site: | OpenCourseWare for GIS |
Course: | 水文地質学のためのGISトレーニング |
Book: | チュートリアル: QGIS での地下水データの処理 |
Printed by: | Guest user |
Date: | Thursday, 5 December 2024, 1:18 PM |
Description
1. 概要
さまざまなインターネットリソースからデータを収集できたので、マラウイのShire帯水層を対象とした地下水GISプロジェクトのために、データをさらに処理していくことができるようになりました。
このチュートリアルの後には以下のことができるようになります。
- レイヤーの再投影
- 式による地物の選択
- 選択した地物のエクスポート
- バッファの作成
- フィーチャーのディゾルブ
- レイヤーの交差(Intersect)
- レイヤーのクリップ
- ポイントサンプリングツールの使用
- 属性の結合と永続化
2. 理論:ベクターデータのジオプロセッシングツール
ここでは、このチュートリアルで使用するベクターデータのジオプロセシングツールについて、理論を交えた役に立つビデオを紹介します。
3. レイヤの再投影
2. メインメニューでプロジェクト | 開く | GeoPackage...と進みます。
3. GeoPackageからプロジェクトを読み込むダイアログで、ボタンを使用して、Malawi_GIS_data.gpkgファイルのコピーをおいた新しいフォルダを参照し、Malawi_Groundwaterプロジェクトを選択します。OKをクリックして開きます。
4. レイヤパネルでGeologyレイヤで右クリックし、エクスポート | 地物の保存...を選択します。
5. ベクタレイヤを名前をつけて保存...ダイアログで形式としてGeoPackageを選択し、既存のMalawi_GIS_data.gpkgを使用しレイヤ名にGeology UTMと入力します。CRSをプロジェクトCRS(EPSG:32736)に変えます。
6. OKをクリックします。
これでMalawi_GIS_data Geology UTM レイヤがレイヤパネルに追加されました。 しかしスタイリングがされていません。元のGeologyレイヤからスタイルをコピーできます。
7. レイヤパネルでGeologyレイヤを右クリックし、スタイル | スタイルのコピー | 全スタイルカテゴリを選択します。
8. それからレイヤパネルで Malawi_GIS_data Geology UTM レイヤを右クリックしスタイル | スタイルの貼り付け | 全スタイルカテゴリを選択します。
結果を見るためには、レイヤパネルでレイヤーを再配置する必要があるかもしれません。Y
9. Hydrogeologyレイヤでステップの4から8を繰り返して、Hydrogeology UTMという名前でGeoPackageに新しいレイヤを作ってください。
4. 調査エリアの定義
このセクションでは、調査対象地域であるシャイアバレー沖積帯水層(Shire Valley Alluvial Aquifer)を定義していきます。
この越境帯水層はaquifersレイヤの中にあります。
次のサブセクションでは、aquifersレイヤからシャイアバレー沖積帯水層(Shire Valley Alluvial Aquifer)を選択します。そして、選択した地物をGeoPackageの新しいレイヤーにエクスポートします。
4.1. 式による地物の選択
最初のステップはaquifersレイヤからシャイアバレー沖積帯水層(Shire Valley Alluvial Aquifer)を選択することです。
2. 式による地物選択ボタンをクリックします。
3. QGIS式による選択ダイアログでウィンドウの中間にあるフィールドと値を開いてAQ_NAMEをダブルクリックします。こうすることで"AQ_NAME"がウィンドウの左側にある式に追加されます。それから をクリックし=を式に追加します。ここで右側にあるボタンをクリックしリストの中からShire Valley Alluvial Aquiferを探します。Shire Valley Alluvial Aquiferをダブルクリックして式に追加します。そうすると次のようになります。
"AQ_NAME" = 'Shire Valley Alluvial Aquifer"
4. をクリックし式に従って地物を選択します。
5. 閉じるをクリックしダイアログを閉じます。
6. 属性テーブルを閉じます。
地図キャンバスでは選択した帯水層が黄色の境界で表示されているのが見えます。QGISでは選択状態は黄色でデフォルトで表示されます。
ではシャイアバレー沖積帯水層(Shire Valley Alluvial Aquifer)をエクスポートしてみましょう。
4.2. 選択した地物のエクスポート
これで調査地域の帯水層が選択できたので、GeoPackage の新しいレイヤーとして地物をエクスポートすることができます。
1. レイヤパネルのaquifersレイヤを右クリックし、エクスポート | 選択地物の保存...を選択します。
2. ベクタレイヤを名前をつけて保存...ダイアログで形式としてGeoPackageを選択します。既存のMalawi_GIS_data.gpkgをファイル名として選択します。レイヤ名をShire Valley Alluvial Aquiferにします。CRSがEPSG:32736であるか確認します。
3. OKをクリックします。
Malawi_GIS_data Shire Valley Alluvial Aquifer レイヤがプロジェクトに追加されました。
次のサブセクションでは、帯水層の境界の周りにバッファを作り、境界の影響を考慮して調査範囲を少し広げます。
4.3. 帯水層の周りにバッファを作成する
境界の影響を考慮するためには、調査地域の帯水層の周りにバッファを作るのが良いでしょう。
1. メインメニューで ベクタ | 空間演算ツール | バッファ(Buffer)... と進みます。
2. バッファ(Buffer)ダイアログで Malawi_GIS_data Shire Valley Alluvial Aquifer を 入力レイヤとして選択します。距離を10キロメートルに設定します。その他の設定はデフォルトのままにしMalawi_GIS_data.gpkgにShire buffer 10kmというレイヤ名で保存します。
3. 実行をクリックします。処理が終わったらダイアログを閉じます。
これでShire buffer 10km レイヤが地図キャンバスに表示されました。
マラウイをカバーする帯水層のみを扱うため、次のサブセクションではShire buffer 10kmレイヤーを国の境界でクリップしていきます。
4.4. 地物を融合して国の境界線を作る
このサブセクションではShire buffer 10kmレイヤをマラウイの国境線でクリップしていきます。
例えば、Natural Earthデータセットから国の境界線をダウンロードすることができます。しかし、ここでは、マラウイのみをカバーするGeology UTMまたはHydrogeology UTMレイヤーを使用することができます。この方法の利点は、境界線がレイヤーとより一致することです。
Geologyレイヤーのすべての地物を融合することで、国の境界を作成することができます(Hydrogeologyレイヤーでも同様ですが、ここではGeologyレイヤーで説明します)。
1. メインメニューでベクタ | 空間演算ツール | 融合(dissolve)... と進みます。2. 融合(dissolve)ダイアログでMalawi_GIS_data Geology UTMを入力レイヤとして選択し、融合されたレイヤをMalawi_GIS_data.gpkgにMalawi country boundaryという名前で保存します。その他の設定はデフォルトのまましておくことで、レイヤー内のすべてのフィールドを融合します。
4.5. バッファを作った越境帯水層と国の境界を交差させる
調査エリアを得るためには、Malawi country boundaryに含まれるShire buffer 10kmのエリアを持つ必要があります。
そのためには、交差を利用します。
1. メインメニューでベクタ | 空間演算ツール | 交差(Intersect)と進みます。
2. 交差(intersect)ダイアログでShire buffer 10kmレイヤを入力レイヤとして、Malawi country boundaryレイヤをオーバーレイレイヤとして選択します。その他の設定はデフォルトのままにし交差させた結果をMalawi_GIS_data.gpkgGeoPackageにShire study areaという名前で保存します。