チュートリアル: 地下水調査のためのフィールドデータ収集アプリの作成
Site: | OpenCourseWare for GIS |
Course: | 水文地質学のためのGISトレーニング |
Book: | チュートリアル: 地下水調査のためのフィールドデータ収集アプリの作成 |
Printed by: | Guest user |
Date: | Thursday, 10 October 2024, 8:11 AM |
Description
1. 概要
前回のトピックでは、インターネット上にあるデータを利用する方法を学びました。
しかし、ネット上のデータでは入手できなかったり、粗かったりするため、自分でデータを収集しなければならないことがよくあります。最近では、そのためにアプリを使うこともあります。
このチュートリアルを終えると、以下のことができるようになります。
- QGIS を使用してデータ収集プロジェクトのセットアップをする
- オンラインとオフラインのレイヤーを持つマップテーマを設定する
- 入力フォームのデザイン
- QGISプロジェクトをMarginクラウドサービスと同期させる
- 携帯電話のInputアプリをMerginクラウドサービスと同期させる。
- データ収集用のInputアプリの使用
- 現場で収集したデータをMerginクラウドサービスとQGISプロジェクトに同期させます。
Inputは完全なGIS/マッピングアプリケーションを目的としていません。シンプルさ、使いやすさ、シームレスなデータ同期を念頭に置いて設計されています。
Inputを使用する典型的なワークフローは、以下のステップで構成されています。
- プロジェクトの準備:ユーザーは背景やデータ収集用のレイヤーを読み込み、入力フォームの設定をし、レイヤーにスタイルを適用し、マップテーマを設定し、収集目的で使用するレイヤーを定義します。
- データ/プロジェクトの転送:プロジェクトがセットアップされたら、ユーザーはデータをデバイスに転送する必要があります。これはMerginで実現できます。
- Inputでの作業:マップのナビゲーション、フォームへの入力を含むデータの編集、既存データの表示、変更内容のMerginへのアップロード。
このチュートリアルでは、地下水調査のための現場でのデータ収集のためのワークフローを紹介します。
2. プロジェクトの準備
QGISでプロジェクトの準備を始めていきます。
プロジェクトの中では以下の2つを区別する必要があります。
- 現場でのコンテキストを提供する背景レイヤ
オフラインとオンライン、ラスタとベクタのレイヤを両方とも使うことができます。
データ収集用のレイヤ
- オンラインのGoogle satellite
- オフラインのGoogle satellite
- オンラインのOpenStreetMap
- オフラインのOpenStreetMap
- 調査地域の境界を持つベクタレイヤ
2.1. 調査地域の境界を追加する
まず、調査地域の境界を定義し、そのポリゴンをプロジェクトに追加します。これにより、現場でアプリを使ってナビゲートする際に、境界がどこにあるかを知ることができます。
1. QGISで新規プロジェクトを立ち上げます。
2. 右下の EPSGコードをクリックして、プロジェクトの投影法をUTM Zone 36S/WGS-84に変更します。
3. ダイアログでEPSGコード32736でフィルタし、投影法を選択しOKをクリックします。
これは測量レイヤではないので、このベクタレイヤを読み取り専用にする必要があります。Inputアプリは、読み取り専用のレイヤーを非測量レイヤーとして解釈します。
30. メインメニューで プロジェクト | プロパティ...を選択します。
31. データソースタブを選択します。
32. 境界レイヤの読取専用のチェックを入れます。
2.2. オンラインレイヤーを追加し、オフラインで利用可能にする
現地でインターネットに接続できる環境であれば、WM(T)SやオンラインのXYZタイルを背景地図として使うことができます。前のセクションでは、すでにOSM Standardレイヤーを追加しました。このセクションでは、測量プロジェクトにGoogle Satelliteを追加します。また、現場でインターネットに接続できない場合に備えて、オンラインレイヤーをオフラインで利用できるようにしておきます。
まずGoogle Satelliteをプロジェクトに追加しましょう。
1. メインメニューで Web | QuickMapServices | Google | Google Satelliteと進みます。