チュートリアル: 地下水調査のためのフィールドデータ収集アプリの作成

Site: OpenCourseWare for GIS
Course: 水文地質学のためのGISトレーニング
Book: チュートリアル: 地下水調査のためのフィールドデータ収集アプリの作成
Printed by: Guest user
Date: Tuesday, 21 May 2024, 10:31 AM

Description

1. 概要

前回のトピックでは、インターネット上にあるデータを利用する方法を学びました。

しかし、ネット上のデータでは入手できなかったり、粗かったりするため、自分でデータを収集しなければならないことがよくあります。最近では、そのためにアプリを使うこともあります。

このチュートリアルを終えると、以下のことができるようになります。

  • QGIS を使用してデータ収集プロジェクトのセットアップをする
  • オンラインとオフラインのレイヤーを持つマップテーマを設定する
  • 入力フォームのデザイン
  • QGISプロジェクトをMarginクラウドサービスと同期させる
  • 携帯電話のInputアプリをMerginクラウドサービスと同期させる。
  • データ収集用のInputアプリの使用
  • 現場で収集したデータをMerginクラウドサービスとQGISプロジェクトに同期させます。

Inputは完全なGIS/マッピングアプリケーションを目的としていません。シンプルさ、使いやすさ、シームレスなデータ同期を念頭に置いて設計されています。

Inputを使用する典型的なワークフローは、以下のステップで構成されています。

  • プロジェクトの準備:ユーザーは背景やデータ収集用のレイヤーを読み込み、入力フォームの設定をし、レイヤーにスタイルを適用し、マップテーマを設定し、収集目的で使用するレイヤーを定義します。
  • データ/プロジェクトの転送:プロジェクトがセットアップされたら、ユーザーはデータをデバイスに転送する必要があります。これはMerginで実現できます。
  • Inputでの作業:マップのナビゲーション、フォームへの入力を含むデータの編集、既存データの表示、変更内容のMerginへのアップロード。

このチュートリアルでは、地下水調査のための現場でのデータ収集のためのワークフローを紹介します。


2. プロジェクトの準備

QGISでプロジェクトの準備を始めていきます。

プロジェクトの中では以下の2つを区別する必要があります。

  • 現場でのコンテキストを提供する背景レイヤ

    オフラインとオンライン、ラスタとベクタのレイヤを両方とも使うことができます。

  • データ収集用のレイヤ

今回のプロジェクトでは次の背景レイヤを用意します。

  • オンラインのGoogle satellite
  • オフラインのGoogle satellite
  • オンラインのOpenStreetMap
  • オフラインのOpenStreetMap
  • 調査地域の境界を持つベクタレイヤ

地下水調査のために調査用のレイヤを1つ作ります。

2.1. 調査地域の境界を追加する

まず、調査地域の境界を定義し、そのポリゴンをプロジェクトに追加します。これにより、現場でアプリを使ってナビゲートする際に、境界がどこにあるかを知ることができます。

1. QGISで新規プロジェクトを立ち上げます。

2. 右下の EPSGコードをクリックして、プロジェクトの投影法をUTM Zone 36S/WGS-84に変更します。

3. ダイアログでEPSGコード32736でフィルタし、投影法を選択しOKをクリックします。

4. QuickMapServices プラグインをインストールします。メインメニューの プラグイン | プラグインの管理とインストール... から行います。

5. QuickMapServices プラグインをインストールします。

6. メインメニューで Web | QuickMapServices | Settings と進みます。


7. QuickMapServices Settings ダイアログで More services タブをクリックします。


8. Get contributed packをクリックします。

9. ポップアップでOKをクリックします。

10. Save をクリックしてQuickMapServices Settings ダイアログを閉じます。

11.メインメニューで Web | QuickMapServices | OSM | OSM Standardと進みます。

次に、調査地域の場所を見つける必要があります。ここでは、前のチュートリアルで紹介したマラウイの「Shire」調査地域の中の「Bangula」付近を使用します。しかし、他の地域でも同じ方法を使うことができます。

12. GeoCoding プラグインをインストールします。


13.   ボタンをクリックしGeoCodingプラグインを開きます。
14. GeocodingダイアログでFind addressBangula と入力します。

15. OKをクリックします。

16. Bangula, Nsanje, Southern Region, Malawiを選択します。

17. OKをクリックします。

18. 関心のあるエリアにズームインします。この例では、Bangulaという都市とピボット灌漑のある地域にズームインしています。
Study area OSM

ここでは、地図キャンバスのエリアの範囲に基づいて、境界ポリゴンを作成していきます。
なお、別のエリアが必要な場合は、境界ポリゴンをデジタイズするだけで、以下の手順を置き換えることができます。

19. プロセッシングツールボックスを開きます。メインメニューのプロセッシング | ツールボックスから行います。

20. プロセッシングツールボックスベクタジオメトリ | 範囲の矩形レイヤを選択します。

21. 範囲の矩形レイヤダイアログでボタンをクリックして、キャンバス領域を使用を選択します。

現在の地図キャンバスの境界の座標は、プロジェクトの投影法を使って入力されています。そのため、このチュートリアルの最初に設定しておくことが重要でした。

22. 出力された領域を、プロジェクトの全てのデータを保存するための専用のフォルダに保存します。そのフォルダの中で、Bangula_study_area.gpkgという名前のGeoPackageにBangula_study_areaという名前のレイヤで保存します。


23. 実行をクリックし、処理のあとダイアログを閉じます。

これで、四角いポリゴンがランダムな色で塗りつぶされました。境界線のスタイルを決めましょう

24. レイヤパネルからBangula_study_areaレイヤを選択し をクリックしてレイヤスタイルパネルを開きます。

25. レイヤスタイルパネルでシンプル塗りつぶしをクリックします。シンボルレイヤタイプアウトライン:直線(Simple Line)に変更します。色を赤にしストローク幅を0.66mmにしましょう。


これで境界ポリゴンの準備ができました。

26. レイヤパネルから GeoCoding Plugin Results レイヤを削除します。

Bangula_Groundwater_Survey to the Bangula_study_area.gpkg GeoPackageBangula_Groundwater_Surveyという名前でプロジェクトを保存します。

27. メインメニューでプロジェクト | 保存 | GeoPackage...を選択します。


28. Bangula_study_area.gpkg GeoPackageに接続し、プロジェクトBangula_Groundwater_Survey と入力します。


29. OKをクリックします。

Study area boundary

これは測量レイヤではないので、このベクタレイヤを読み取り専用にする必要があります。Inputアプリは、読み取り専用のレイヤーを非測量レイヤーとして解釈します。

30. メインメニューで プロジェクト | プロパティ...を選択します。

31. データソースタブを選択します。

32. 境界レイヤの読取専用のチェックを入れます。

33. OKをクリックします。

次のセクションでは、Google Satelliteレイヤを追加し、OSMスタンダードとGoogle Satelliteをオフラインでも利用できるようにします。

2.2. オンラインレイヤーを追加し、オフラインで利用可能にする

現地でインターネットに接続できる環境であれば、WM(T)SやオンラインのXYZタイルを背景地図として使うことができます。前のセクションでは、すでにOSM Standardレイヤーを追加しました。このセクションでは、測量プロジェクトにGoogle Satelliteを追加します。また、現場でインターネットに接続できない場合に備えて、オンラインレイヤーをオフラインで利用できるようにしておきます。

まずGoogle Satelliteをプロジェクトに追加しましょう。

1. メインメニューで Web | QuickMapServices | Google | Google Satelliteと進みます。