チュートリアル: 複数のサブ流域を定義する
5. 集水域内のすべてのサブ集水域を定義する
同様の方法で、Rur集水域のすべてのサブ集水域を定義することができます。しかし、それでは、注水ポイントをデジタル化したり、スナップしたりするための手作業が多くなってしまいます。
このセクションでは、河川の分岐点を導出し、すべての分岐点にPoints to catchmentsツールを適用します。
1. プロセッシングツールボックスで SAGA | Terrain Analysis - Channels | Channel network and drainage basinsと進みます。
2. ダイアログでFilled DEMを標高グリッドとして選択し、閾値を8に設定してください(これは、河川と集水域の境界線の設定でキャリブレーションされます)。合流分岐部以外のすべての出力のチェックを外して、プロジェクトフォルダにjunctions.shpという名前で保存します。
3. 実行をクリックし、処理が完了したらダイアログを閉じます。
junctionsレイヤはRurの集水域よりも広い範囲をカバーしているので、まずそれをクリップする必要があります。
4. メインメニューで ベクター | 空間演算ツール | 切り抜き(Clip)...と進みます。
5. 切り抜き(clip)ダイアログで、入力レイヤとしてjunctionsレイヤーを選択し、オーバーレイレイヤとして Rur catchment boundaryを選択します。クリップしたレイヤーをRur junctions という名前でこのプロジェクトの GeoPackage に保存します。
6. 実行をクリックして処理が終わったらダイアログを閉じます。
7. レイヤーパネルからjunctionsレイヤーを削除します。
8. レイヤーパネルのRur junctionsレイヤーを右クリックして、属性テーブルを開くを選択します。
属性テーブルでは、Typeフィールドをみるとジャンクションがスプリングか分岐点かを示していることがわかります。ここで必要なのは分岐点だけです。これらはサブキャッチメントの流出口なので。ここではスプリングを取り除きます。
9.属性テーブル上で をクリックして編集をオンにします。
10. 式による地物選択 ボタンを使用して地物を選択します。
11. QGIS式による選択ダイアログで次のような式を入力します。
"TYPE" = 'Spring'
13. ここで選択地物の削除ボタン をクリックします。
14. ボタンで編集モードをオフにして保存をクリックします。属性テーブルを閉じます。
このポイントレイヤーは、MultipointZMジオメトリを持っていますが、これは使用できません。通常のポイントジオメトリを持つレイヤーに変換する必要があります。
15. メインメニューで ベクター | ジオメトリツール | マルチパートをシングルパートに変換...と進みます。
16.マルチパートをシングルパートに変換ダイアログで、入力レイヤーとしてRur junctionsを選択し、シングルパートレイヤーをこのプロジェクトのGeoPackageにoutletsという名前で保存します。
17. 実行をクリックして処理が終わったらダイアログを閉じます。
18. レイヤパネルから Rur junctions を削除します。
これで、Points to catchmentsツールをすべての分岐点に適用して、その集水域を定義することができるようになりました。
19. プロセッシングツールボックスで IHE Delft | Hydrology | Calculate catchments from pointsを選択します。
20. ダイアログでRur junctionsをOutflow point layerとして、Filled DEMをDEM layerとして選択します。
21. 全てのサブ集水域を保存する新しい出力フォルダを選択します。
22. 実行をクリックします。この処理は少し時間がかかります。全てのポイントが処理されたら閉じるをクリックします。
23. ブラウザパネルに移動し、25個のシェープファイルを地図キャンパスにドラッグします。
24. プロセッシングツールボックスのレイヤをGeopackage化ツールを使ってレイヤをプロジェクトのGeopackageに追加してプロジェクトを保存します。